BX・GX国際教育研究拠点では、従来にはない海域と陸域をつなぐグローバルな視点での物質循環を理解したモノづくり・エネルギー戦略に貢献する国際的人材の育成に取り組んでいます。生物を介して海洋や森林に取り込まれるカーボンの利活用や、陸域と海域に跨る地球規模の物質循環の理解に向けた教育・研究推進の強化をします。
海洋は、メタンハイドレートやレアアースなどのエネルギー・鉱物資源を豊富に含有し、多様な機能や物質生産能を持つ生物種を育む未利用資源の貯蔵庫です。海洋資源の開発と保全は、我が国において重要な成長戦略のひとつであり、その有効活用においては、海域のみならず、陸域を含む地球全体の環境と生態系を理解したモノづくり・エネルギー戦略の推進が求められます。特に、生物を介して海洋に取り込まれる「ブルーカーボン」と森林等の陸域に取り込まれる炭素「グリーンカーボン」の活用が重要な課題です。
これらの課題を解決するため、本拠点では、海洋学分野で世界をリードする国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究基盤と、本学の強みである農学・工学研究分野の融合により、海域でのブルーカーボン研究「ブルートランスフォーメーション (BX)」と陸域でのグリーンカーボン研究「グリーントランスフォーメーション (GX)」を包括する最先端教育研究を展開します。特に、
「生態系理解と環境影響評価」
「二酸化炭素回収・貯留・利用(CCUS)」
「未踏生物資源を用いた材料開発」
の3つのテーマを柱として、陸域海域横断的な知識と技術の涵養と分野複合的な課題を見出し解決に導くことのできる、新たな価値を創造する国際人材を養成します。
さらに、本拠点では、連携大学院プログラムの一環として、JAMSTECの有する最先端技術を活用した研究および教育プログラムの提供や、カーボンニュートラルに関わる海外有力大学や研究機関との国際連携、スタートアップ創出の推進を行います。
国際的にも卓越した教育研究拠点として、BX・GX両方に精通した研究者の養成を行うことで、地球資源の循環による持続可能性社会の実現を目指します。