
本研究は、気候調節や生態系維持に不可欠な土壌有機炭素(SOC)の蓄積を支配する要因を、熱帯・温帯の非火山性地域において、土壌層位(深さ)別に解明したものです。ランダムフォレスト(RFR)と構造方程式モデリング(SEM)を用いた解析により、表層土では気温やpHに加え、活性Al/FeとSOCが互いを安定化させ合う「双方向の相互作用」が確認された一方、下層土では活性Al/FeがSOC蓄積量を一方的に決定する要因であることが判明しました。さらに、気候(有効降水量)や母材(母岩)の化学組成は、SOCに直接作用するのではなく、土壌中の活性Al/Feの生成量を調節することを通じて「間接的」に炭素蓄積量を制御を支配しているという重要な経路を特定しました。これらの知見は、非火山性土壌においても活性Al/Feを基軸とした鉱物的な安定化が炭素循環の鍵であることを示しており、土壌の深層部まで含めた高精度なSOC予測モデルの構築や、地球温暖化対策における炭素隔離ポテンシャルの正確な評価に大きく貢献するものです。
Lyu, H., et al., Geoderma 458: 117335, 2025. DOI: https://doi.org/10.1016/j.geoderma.2025.117335
