生体材料は数百万年の進化を経て、単純な生体由来成分から卓越した機能特性を獲得してきました。本論文では、そのナノスケールの設計原理を工学的に応用することで、従来の工業材料を凌駕するバイオインスパイアード構造体の創製が可能であることを示しました。その具体例として、磁性細菌はMmsタンパク質群によって形態・サイズが精密制御された磁性ナノ粒子を細胞内に合成し、鎖状配列を形成することで地磁気を利用したナビゲーションを実現しています。これらのタンパク質発現を遺伝子操作により制御することで、ナノ構造の人為的改変が可能であることも明らかにされました。本知見は生物の設計原理を工学へ応用する上で新たな指針を与え、次世代ナノ製造技術や医療デバイスへの貢献が期待されます。

Sung, C.H., et al., Advance Materials, 37, e09281, 2025. DOI: https://doi.org/10.1002/adma.202509281